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カウンター越しに静まり返る男女4人…
1人の男はグラスを拭いている。
その男に目で合図を送りながら愛想笑いをする女。
またその女の隣で下を向いて今すぐにでも消えてしまいたいと願っている女。
何故なら消えてしまいたいと願っている女の正面に
煙草の煙を凄まじく機嫌悪そうに吐き出し睨みつける男が立っているからだ。
ここは『ラッシュ』。
仕事帰りに理絵に無理やり誘われ
行かざるをえなかったミヤ。
とりあえずカズに謝った方が良いとは思ってはいたが
思いのほか……いや、
想像以上にカズは切れていた。
こんな日に限って何故か他に客が来ない…
「…で?
何か言うことねぇのかよ。」
初めに口を開いたのはカズ。
「すみません…。
ご心配おかけいたしまして。」
ボソボソと呟くミヤ。
カズは眉間にシワを寄せながら
煙草の煙を溜め息と共に吐き出すと
カウンターから出てくる。
『頼むから隣に来ないでょ。』
しかし、そんな事を考えているミヤの右隣に
カズはドシッと腰掛けた。
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