寝るとしてもいい所で

7/10
前へ
/44ページ
次へ
『いいねその顏。初めて君を驚かせたよ。ねえ今どんな気持ち?』 「いや純粋に驚いた。」 『つまらないの。』 お子様は何を期待したのだろうか。 「それより国としてはどうなんだ? ……いやいいのか。」 宗教の分布にもよるけど、最大宗教なら普通にありえるのかヴァチカンみたいな感じで。 『残念。ガイアスとウォリアスだけが神守教を国教としてるね。ピリオスは中立だから宗教にも関与しない。ファムアは宗教の廃絶を目指してる。ミニムは宗教で国を守ってる訳じゃないよ。』 『大陸中央は広大な平地なんだ。丘ぐらいはあるけど山なんてどこにもない。ジャングルみたいな森林すらない。防衛するならいっそ撤退の方がマシだね。進軍で通りすぎるならいいけど。』 『平地も肥えてるならいいけど、昔から進軍したら相手国も防衛で平地に出る。国内は荒らしたくないからね。でしわ寄せをうけて結果不毛地帯に近い状況になった。』 『名産品なし、資源なし。あるのは戦争という散々な地域だね。』 「それでも国としてやってけるのな。」 『ミニムの強みは弱さそのものなんだよ。何もないし何もできない。守るにも向かないし人が暮らすのだってかなりぎりぎり。侵略価値がない。』 よく暮らせるな。 「国民いなくならないのか。」 周りでドンパチやってて飯も作れない。普通なら逃げなるだろうに。 『逃げた結果がミニムなんだよね。ミニムの人口割合は他の国と比べても圧倒的に猫人、犬人、森人、竜人といったいわゆる亜人が多い。亜人という言い方はしない方がいいけど便宜上で使うよ。レムはそっちの方がいいでしょ。』
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加