とりあえず寝たい

3/6
前へ
/44ページ
次へ
「眠りを妨げて怒られるのは通常時だけやろ。今はどっからどうみても「絶好の睡眠日和」うん、天気もええし気持ちええわな……じゃないわ! 同じツッコミもだとおもろないわ! あと人の話の途中に割り込むなや!」 なんか後ろで息を乱しながら叫んでいる人がいる。 会話してるつもりないのになんか変なこと言ってるし。 「もう頼むから話聞いてぇな…… その後は好きなだけ寝てもええからな?」 これ以上睡眠妨害されるとこちらとしても死活問題だ。なら話聞いた方がいいかな。 「なんでしょうか、エセ関西人さん」 「なんでエセ関西人やねん! お前さんがまともにせんからこっちもツッコミせないかんのや! 頼むからもう語尾に句読点だけにさせてぇな……」 自分から見ると勝手にうるさくわめいている様にしか思えない。沸点低いなこの関西ショタ。 ファッションも…… ヒップホップでも憧れたのか? なんかだぼついた明らかにサイズ違いの服に、あちらこちらに切れ目の入ったこれもサイズが大きいジーパン。格好つけるためか知らないけどドクロの形のイヤリングにカラーコンタクトでもしているのか赤と青のオッドアイ。親が馬鹿なのか親不孝者なのか。 「何その酷い説明は! 最近イタズラのために下界のテレビの漫才とか見てたら変な口調に少しなってエセ呼ばわりだし、格好いいなと思って派手な衣装取り入れたら親不孝扱いだよ! こんな言われようされたの始めてだよ!」 その後しばらくの間やかましいショタはアルファベット三字で表せる体勢になって動かなくなった。 ……話聞いたから寝てもいいのだろうか。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加