第五話 現の残火

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――あの時、おれは嘘をついた。 いや、違うな。 あの日"も"だ。 『宿題、まじめにやるなんてダサイよ』 (それが相川の良いとこだけど) 『その頭、"てつこ"みたいで変。トモの部屋とかするつもりなの?』 (むしろ、てつこがあの頭やめたら良いのに。相川のが似合ってるし) 自分でもバカ言ってるのはわかってる。 だけど、相川だって ――ダサくても、わたし入江くんみたいにテストできないから仕方ないよ~。 ――うわっ!酷いよ。でもウケるそれ。 なんて嫌がるそぶりもなく笑うから、 気づけば、それが当たり前になってた。 おれがバカな嘘ついて、相川が笑う。 そんな掛け合いがずっと続くと思ってたんだ。 それなのに――――
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