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「やっと着いたか。」
少年は回りを見渡す。
一面の白だ。
「結構遠かったな。雪の都ジーベン。」
少年は歩き出す。
そのたびにザクザクと雪を踏みしめる音が出る。
背中には少年の背丈よりも長い大剣を携え、腰には長剣を左右に三本ずつ携えている。
「全く、あのババアはこんな辺境な場所まで飛ばしやがって。嫌みか?」
少年は雪道を歩き続けている。
「何だ?」
少年は辺りを見渡す。
「どこからだ?」
少年は視線を感じたらしく、回りを見渡している。
「そこか。」
軽く魔法を近くの雪の塊にぶつける。
「きゃあ!」
中から女が現れた。
「何してんだ?」
女を一瞥する。
女は傷ついたらしく、悲しい顔になった。
「私の事を覚えてないの?」
少年はしばらく考える。
「隠れてた挙げ句に、自らの事を知ってませんかと聞く奴は知らない。」
話は終わりだということで少年は歩き出す。
「あっ、ちょっと………はぁ。」
女は諦めたようにため息をついた。
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