第1話

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「ささっ、中へどうぞ。」 「支部長!?」 兵士が慌てて男性に訴える。 だが、男性は兵士にひと睨みきかせた。 すると兵士は何も言わなくなった。 「馬鹿が。この者が誰だか分かっているのか?」 男性は一拍置き、 「かの有名な‘夜想の懐柔者’の元で鍛えられた精鋭だぞ。」 兵士は驚きのあまりに手に持ったままの剣を落とした。 しかも、口をパクパクしながら少年に向けて指を指している。 何か言いたいようだが言えない状態になっている。 「………呆れた。日を改める。」 少年は二人に背を向けて歩き出した。 後ろで男性が何か言っていたが、知らない降りをして歩き出した。 「ったく。今までで移動した中で一番酷いな。」 少年は今まで移動した支部を思い出していた。 「ふぅ、ババアに連絡するか。」 少年は耳に手を当て、回線を繋ぐ。 「着いたぞ。」 そう伝えると少しノイズがかかったあと女の声が聞こえた。
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