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「ささっ、中へどうぞ。」
「支部長!?」
兵士が慌てて男性に訴える。
だが、男性は兵士にひと睨みきかせた。
すると兵士は何も言わなくなった。
「馬鹿が。この者が誰だか分かっているのか?」
男性は一拍置き、
「かの有名な‘夜想の懐柔者’の元で鍛えられた精鋭だぞ。」
兵士は驚きのあまりに手に持ったままの剣を落とした。
しかも、口をパクパクしながら少年に向けて指を指している。
何か言いたいようだが言えない状態になっている。
「………呆れた。日を改める。」
少年は二人に背を向けて歩き出した。
後ろで男性が何か言っていたが、知らない降りをして歩き出した。
「ったく。今までで移動した中で一番酷いな。」
少年は今まで移動した支部を思い出していた。
「ふぅ、ババアに連絡するか。」
少年は耳に手を当て、回線を繋ぐ。
「着いたぞ。」
そう伝えると少しノイズがかかったあと女の声が聞こえた。
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