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12月25日。早朝。
目が覚めると、イレヴン先輩が隣で寝ていた。
なぜ・・・?
昨日は街に出て、帰ってきたら家の前に先輩が居て・・その後どうしたんだろうか。
アヤは、昨日イレヴンと話した内容をほとんど覚えていなかった。おそらく熱のせいだろう。
左手が思うように動かず、見るとイレヴンが手を握っていた。
「!?。」
ボッと火が付いたように、アヤの顔は赤くなる。
それと同時に、
大丈夫だよ・・と言い、抱きしめてくれた腕の力強さと声を、断片的であるが思い出した。
イレヴン先輩の声に、すごく安心した。
「ありがとうございます、先輩。」
先輩が起きたら、もう一度言おう。
そういえば、昨日買ったショートケーキはちゃんと持って帰ってきたかな。
もしあれば、一緒に食べたいな。
ああ、そろそろ顔洗って、朝食の準備をしなければ。でも、手を離すのが勿体ない。
もう少しこのまま・・・あなたの隣で眠らせて。
End
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