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20:10
「寒…。」
アヤは、いつものジャージにマフラーだけという軽装で、この寒空の中外に居た。
わざわざ街まで赴き、ケーキ屋で苺のショートケーキを1つだけ購入した。
その後、イルミネーションで飾られた大きなツリーが見えるベンチに腰掛け、2時間は経過していた。
途中、イレヴン先輩から何回か着信とメールがあったが、見ないふりをした。今は電源を切っている。
アヤは誰かを待っているわけでもなく、何をしようという気もなく、ただ座って目の前を通り過ぎる人々を眺めた。
何となくひとりで家に居るのが嫌だったんだと思う。
自らひとりになったのに、矛盾しているが。
「星が、綺麗・・・くしゅんっ。」
寒気がする。なんだか頭も痛いし。
こんな真冬に何時間も外に居れば当たり前か。
アヤは、やっと腰をあげ帰ることにした。
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