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「はぁ・・はぁ・・どこ、行ったんだろう・・?」
私がグラウンドから出て、捜しに行ったのは、休憩所とお互いの待合室と、観客席にトイレだった。
まぁ、トイレの中までは捜してないけど・・・
「もう、戻っちゃったかなぁ?」
トボトボと歩いて、グラウンドに戻ろうとすると、近くの林で声が聞こえた。
「彼方、お前変わってないな。」
「あぁ。お前は・・・すげー変わったよな。ビックリしたぜ。」
彼方と海斗だ!
そう思って、2人に近づこうとすると、後ろから腕を引っ張られた。
「しっ!待って!」
それは・・・光太郎先輩だった。
その姿を見て、私は熱が顔に集まった気がした。
ちょっと待って!!最近、先輩と一緒にいるとなぜか緊張する!!
しかも、腕を引っ張られて体型を崩した私を、抱きしめるように支えている。
この格好は、なんか・・・
改めて考えると余計にドキドキして、すっかり、目的の彼方と海斗は記憶の隅から消え去った。
「・・・ん。咲って、なんか良い香りする。」
しかも、光太郎先輩が私の髪に顔をうずめてきて、どうしていいかとドキドキMAXだ。
すると、カチンコチンに固まった私を見て、
「・・・なんか色々、俺のほうがヤバそうだからここまでにしとく。」
と、スッと私から離れた。
その時、少しガッカリした感情はまだよく分からなかった。
後で、菜々に聞いてみよ。
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