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そんな事を思っていると、
「咲?」
どうやら、海斗と彼方が戻ってきたようだ。
「か、なた?」
彼方は、隣に海斗を連れながら歩いてきた。
「光太郎先輩?何してんですか?」
彼方はだんだん近づきながら、顔が険しくなってきた。
「あーあ、バレちゃった。」
光太郎先輩は、ペロッと舌を出した。
そんな仕草にキュンとしてしまったのは、秘密だ。
「彼方!海斗!あの・・・っ!」
私は、言葉を濁しながら話しかけた。
「えっと・・・ど、うだった?」
少し、変な質問になってしまった。
「久しぶりだな、咲。」
「うん、海斗・・・」
俯きながらも答えた。
それを見て、海斗は小さく笑って、
「ごめんな、心配かけて。俺はあの時どん底でさ、彼方や咲にあたることしかできなかった。」
海斗は「でも・・・」と続けて、
「今は信じられる仲間もいて、母さんは再婚して、新しい旦那は俺にも優しくしてくれて・・・」
そこまで言って、海斗はきっぱりと言った。
「俺、サイコーに幸せなんだ!!」
もう何の迷いもない顔で、これ程にない笑顔で言った。
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