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「和真!どうしたんだ?」
光太郎先輩が、驚いたように和真先輩を見ている。
「どうしたんだ?じゃないよ。俺らが、どれだけ捜し回ってると思ってるの?」
和真先輩は、顔には笑顔が張り付いているが、言葉には怒気しか含まれていない。
それを感じ取った私たち全員は、一瞬にして硬直した。
「さ。菜々にも連絡したし、帰るよ?キャプテン?」
「・・・ごめんなさい。」
キャプテンという言葉に、責任を感じたのか、光太郎先輩は素直に謝った。
その様子を見た私は、少し可愛く見えて笑ってしまった。
すると、それに気づいた和真先輩は、
「何笑ってんの?咲も彼方もちゃんと分かってんの?自分たちのせいで、どれだけ周りに迷惑かけてんのか。」
と、冷やかな目で怒られた。
「「ごめんなさい。」」
私と、彼方は同じタイミングで頭を下げた。
「行くよ。」
和真先輩は、さっさとしろ。みたいな感じで歩き始めた。
私達は、ポカーンと海斗に、
「海斗!また一緒にサッカーしよーね!!」
そう告げて、海斗に負けない笑顔で笑った。
「おう!インターハイ、頑張れよ!!」
――――私達の長い、長い『試合』が終わった。
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