4人が本棚に入れています
本棚に追加
けど、選手の誰かが『対策』に気づいてくれるのが、一番いいんだけどなぁ・・・
ゲームが再開すると、フィールド内で相手の選手たちが、
「夏のインハイで上位に入ったから、どれだけ強いかって期待してたんだけどな!」
「あぁ。弱過ぎてやる気失せるわぁ~」
「まぐれだったんじゃね?」
「このまま、点数どんどん入れちまおうぜ!」
と、1点決めただけなのに、調子に乗り始め、帝邦チームを罵倒してきた。
その声は、ベンチまで聞こえてくる。
「ちょっと!何なの!?アイツら!!」
隣の菜々は、殴り掛かりそうな勢いだ。
すると、
「なめんな。」
そう言って、ボールを操っていた光太郎先輩は、颯爽と目の前の敵を抜いた。
それは、滑らかで、無駄のない、完璧な動きだった。
そして、その勢いは止まることはなく、厄介なディフェンダーもするりと突破して、ゴールにボールを打ち込んだ。
「「「えっ!?」」」
敵も味方も関係なく、全員がその場で立ち尽くした。
ボールはキーパーに邪魔されることなく、綺麗な放射線を描いて、ゴールに収まったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!