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袋を開けてみると、数時間前の私達なら確実に歓迎をあげたであろう……、しかしこの場にあまり役にたつとは思えない物が入っていた。
人数分の白のスマートフォン。見る限り最新機種の新品。
そして、乾電池式の充電器が台数分。
「……………」
私達は微妙な沈黙に包まれた。
私達の入学した時期はちょうど、スマホ台数がケータイを抜くか抜かないか、という過渡期だった。入学した時のケータイを買い換えずに使っていて、スマホを持ってない子もいる。
私達のケータイは土砂崩れでどうなったかわからない。状況がこんなじゃなかったらラッキー♪♪って大はしゃぎしてたかもしれない。
電波の届かない山奥、停電中の地下室。
切実に外の誰かと繋がりのに、全く使えそうにない最新機器。
皮肉?嫌がらせ?
誰が何のために置いていったのかもわからないし、非常灯のにぼんやり照らされた無機質な「白」が不気味にも思える。
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