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「…どの道、決断するまであまり時間ないよ」
アリサがスマホの時間を確かめると、一人離れて無線機の前に座る。
「…アリサ、よくあんな場所いられるよね」
ルイが気味悪そうに『救済者』に繋がる……というより『救済者』にしか繋がらない無線機を睨む。
「「「…………」」」
その後は皆、沈黙したままだった。
友達の誰かを助ける代わりに誰かを死なせる……。
当然、そんな決断が、簡単にできるはずもない。
しかも、アリサの言うように「生き返り」を本当に信じるのも馬鹿らしい気がする。
確かにこれまで一人犠牲になるたび、何者かがどこからともなく生存に必要な環境や物資が提供されてきた。
もしかしたら…確実に死んでいる三人の誰か、あるいは全員?
戻ってくることなんて………本当にあるのだろうか……。
疑念を抱きつつも、アリサ以外の四人は自然に「誰に戻って来て欲しいか」
という話題になってしまっていた。
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