水曜日 #2

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アリサの場所に近づいたアイミが言った。 「アリサ…ね、とりあえずさ、六票あるから、二票ずつ三人に入れたら…戻ってくると思わない?」 「六票じゃないよ。今、五票。ナツがいないんだもの」 「……そうだった…」 アイミがうなだれる。 「繰り返すけど、死んだ人は生き返らない。……どんなに大切な人でもね」 アリサが何かを話そうとした途端、突然、ワインセラーのフロアでサヤカが泣き出した。 「一人、犠牲にして三人戻ってくるなら、要らないのは私だよね? 特に取り柄もないし、この中の誰も私のこと必要としてない。いてもいなくても同じ」 また、サヤカのネガティブ発言が始まった。 「そんなこと、誰も言ってないじゃない」 ウララがもうウンザリ、という本音を隠さずに言う。 「サヤカ、そんなことないよ。 サヤカだって大事な仲間だもの、生きてて欲しいから、みんな交代で看病してたんじゃない」 ルイは一応なだめるが、やはり精神的にも限界に来ているのか、声色に苛立ちが混じる。
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