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「ま、私ら若いんだしあと3日くらいなら何とかなるかな?
いいんじゃない?自由投票。
今時、一人山で事故死したくらいじゃニュースだって騒がないもの」
もう全員の精神状態がいっぱいいっぱい。誰がいつ壊れてもおかしくない状況だった。
「それで食料が足りなかったらさ、また誰か一人差し出す?」
「アリサ!アンタ、いい加減に……」
体力の落ちたルイが息を切らしながらワインセラーの石段をアリサに向かって駆け上がる間もなく。
パシン!!
と音がして……、
アイミが涙を浮かべながら、アリサの頬を叩いていた。
「もしかしたら、アリサの言うとおりになっちゃうのかもしれない……。
私達、もうバラバラだもの。
だけど、だけど、誰かを助けるために誰かを犠牲にするとか……やっぱり、できないよ!!」
「…………」
ルイも何か言おうとしたが、階段の往復で貧血を起こしてしまい、石段の途中で壁にもたれて座り込んだ。
サヤカも何か言いたげな不満そうな表情だが、言葉が見つからず、黙っている。
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