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「……ゴメン。ただ、私、自分が死ぬとか、死んだ人が生き返るんじゃないかとか……みんなに簡単に言ってほしくなかったの。昔……」
アリサが静かに話を始めた。
「仲のよかったイトコのお姉ちゃんが……いじめを苦にして自殺したの……。
私まだ小学生だった。お葬式でも家でも、一生分泣いちゃったとあの時は思ってたよ。
辛かったなぁ……」
「「「………………」」」
淡々と回想するアリサに、全員が静まり返った。
「イトコの親……私にはおじさんとおばさんなんだけど、ショックで人が違ったようになっちゃったのね…。
でも私、立ち直って欲しかったの。なのに、インチキな宗教にハマっちゃって。
……昔の降霊術みたいなヤツ。お姉ちゃんの『魂』と会話できてるんだってずっと信じてる。
今、親戚全員と縁を切っちゃってるよ。
巻き上げられたお金があったら、……ううん、せめてちゃんと何が起きたか知ろうとする気持ちだけでもあったら……
裁判起こすとか警察に捕まえさせるとか…、お姉ちゃんをいじめてた子達に思い知らせることができたのに」
「「「………………」」」
誰も返す言葉がない。
「辛かったんだね……」
アイミがぽつんと呟いた。
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