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「アリサは…本当にヒドい状態だった…。
頭も打って、心臓にも鉄柵の折れた所が刺さってて……背中まで……」
サヤカが声を詰まらせた。ウララは恐怖と混乱からか、泣きじゃくるだけだった。
「あっという間で…本当にどうしようもなかったの……で、皆でアリサを寝かせていたら、ナツが戻って来て……。
ねぇナツ、どうしよう……」
アイミも泣いていた。
「……………」
私は、アイミに非常灯を借りて、さっきまで他の二人と一緒に毛布を被って寝かされていたワインセラーの床をのぞき込んだ。
暗がりでさっきはよくわからなかったけど………
みんなの言ったことを裏付けるように、腐食した鉄柵が不気味に光っていて、あたりは血まみれだった。
アリサの身体からそれを抜いて安置するのが精一杯だったんだろう。私が生き返った(?)のは、おそらくその後……。
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