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「わぁああああ!」
私より大声を出して驚いていたのは、アイミだった。
私が振り返ると、急いで肩に掛けていた手を離し、
「ご…ゴメン、ナツ、そんなに驚くと思わなくて……」
まだフロアの真ん中に座っていた他の三人も何事か、という表情でこちらを見ている。
「わ、私こそゴメン…急でビックリしちゃった。何?」
「そこ、あんまりのぞくと危ないよ………」
アイミが辛そうにうつむいた。
「そうだよね……」
私は胸をなで下ろし、フロアの真ん中に戻ろうとした。
「…………?」
部屋着用のオーバーシャツの胸ポケットに、何か……畳まれた紙のようなものが入っている。
なぜか変な胸騒ぎがした。
「そうだ…あとこれ、ナツのスマホ。見たくも使いたくもないかもしれないけど」
私が倒れた時に落としたのを、アイミが拾って持っていたらしい。
「ありがとう…」
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