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私は、手渡されたスマホの光で、アイミにも気づかれないように紙の字を追った。
字はアリサの字だった。
『ナツへ
もし、あなたが今、これを読んでいるなら、私の推理を正しいものと信じて行動してほしい。
投票で生き返るのはナツ。残るのはおそらく5名。
ナツ、ルイ、アイミ、ウララ、サヤカ。
……私は死んでるかもしれない』
私の心臓が早鐘のように鳴った。
アリサはいつ、この手紙を私のポケットに入れたんだろう。
『まず“救済者”は人間。本人が言うように団体なのか独りなのかはわからない。
でも、ナツは必ず生き残って犯人の正体を突き止め、法の裁きを受けさせて欲しい。
それから、生き残ったメンバーの中に内通者がいる。
そして、ツグミの分のスマホを持ち、票を操作している。
どうか冷静に行動して、私の二の舞にならないで。
アリサ』
私の背中に、さっきと違う暗闇と混乱がひたひたと迫って来た。
そして……
ボーン、ボーン、ボーーン、ボン……、
頭上で壊れた振り子時計が深夜12時を打つ音がアンバランスに、でもはっきりと…………
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