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ルイの話によると、毛布とシートは私が倒れた後、差し入れられたものだという。
そして、誰が私に票を入れたか、について早朝、ちょっとした口論になった。
それからアリサは皆と口をきかなくなり、無線機の前で毛布にくるまって一人で座っていた。
……と言ってもアリサがへそを曲げたから、というわけではない。
「アイミ、これ、あなたが持っててちょうだい」
アリサは唐突に、乾パンや水、充電器などの入った銀色の袋と非常灯をアイミに渡した。
チアキが死んだ後、自然にアリサが管理を引き継ぐようになっていたものだ。
「…え、だって…でも、何で私?」
「その中に入ってるのは皆の命綱。皆が私を信用してくれない以上、私が握ってるわけにいかないでしょ。
それに参加しなかったチアキの携帯も入っているし」
「アリサ……さっきは言い過ぎた。ごめん。違うなら、違うって言ってくれたらいいのに」
基本的にお人好しのアイミは泣きそうだった。
「アイミの気持ちは嬉しいけど、私には今、潔白を証明する方法がないの」
アリサは静かに言った。
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