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「アリサ…、アリサはもう他のメンバーのことを信じてないの?」
サヤカが泣きながら、すがるように聞く。
「……正直……まぁ、そうだね」
メンバー全員にやるせなさと失望感が漂う。
一人になりたい、と告げたアリサの元からみんなは離れ、それぞれ無言で長い長い時間を潰した。
そして、スマホの時間で夜10時頃……、無線機からあの声が響く。
『“Survivor”参加者の皆様、間もなく次の“粛清対象者”選出を締め切ります。
ただいまの投票数、0』
「当たり前でしょ」
ルイが嫌悪感たっぷりに呟く。
『なお、ゲーム中盤の本日、生存者の方々の健闘を祝しまして、主催者より特別にボーナスステージを提供させていただきます』
「ボーナス?ふざけないで」
「……狂ってる……」
「人殺し」
もはや5人には、怒りを声高に叫ぶ気力もなく、絶望感だけが漂っていた。
今夜こそ棄権するか。全員で確認しながら、再び自分の名前を書くか。
それでも誰も死なない、という保障はない。
「みんな、踊らされちゃダメ」
ルイが改めて呼びかけ、他の4人が暗闇の中で頷いた。
『本日はこれまでの被粛清者の中から、生き返って欲しい人物を投票で選んでもらいます』
「生き返らせる!?」
「嘘でしょう!」
あまりの意外な申し出に、バラバラだった5人が再び部屋の中央に固まった。
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