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水曜日 #2
・・・・・・・・・・・・
(…………………。)
…………あれ?
長い長い夢を見ていた気がする。
ついこないだ終わったばかりの、高校時代の楽しい思い出。
…と言っても、アイミ達と他愛もないお喋りをしたり、はしゃいだりしている……、何てことないけど、幸せな夢。
数分間……暗闇の中でどっちが夢か考えて、残酷な現実に引き戻された。
そうだ、私達はツグミの別荘ごと土砂崩れに巻き込まれて、地下室に閉じ込められて………。
正体不明の『救済者』の存在に怯えながら、救助隊が到着するまで限界状態でのサバイバル中………。
前日まで感じていた寝起きの寒さがない……けど、顔まで毛布がすっぽりかけられて息苦しい。
………え?…毛布??
あったっけ………昨日まで?
それより今、何時なんだろう。
隣で眠っている友人の気配を感じて、そちらに顔を向け、呼びかけた。
「チアキ」
「ツグミ」
………ああ、二人とも、死んじゃったんだ……。
涙が改めて一筋流れる………
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