18人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
……そりゃ、一度はツグミを見捨てた罪悪感はあるけど。
何かがおかしい。
違和感の正体が上手く掴めないまま、私とアイミは他の四人と距離をとって、アリサの定位置だった無線機の前に座っていた。
「ねぇ、そこの二人。ナツとアイミは、私のメール、無視しっぱなしだよね?」
ツグミが着ぶくれたまま階段に腰掛け、こちらに声をかけた。
「必要ない時は、電源切ってあるの」
私は素っ気なく答えた。
「ツグミこそ、スマホの充電器、人数分しかないのに、あんまり暇つぶしに使わないで。
もう、充電器…予備の一個と私たちの二個しか残ってないんだよ?」
アイミが銀色の袋の口を握り締めて言った。
「……えっ!ちょっと!なんで充電器、それしか残ってないのよ!?誰が使ったの?」
ツグミがすごい剣幕で繰り返し聞いたので、ウララが恐る恐る答えた。
「く……暗いし怖いしヒマだし……ルイやサヤカ達と昨日までメールを………」
ツグミは無言で、ウララを殴りつけた。
ウララが声をたてる元気もなくすすり泣く。
最初のコメントを投稿しよう!