金曜日 #3

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小型のゴムボートにが石段の下にゆっくり流れ着いた。 ボートの中にはビニールにくるまれたダンボール箱。 その上に、この場に全く不釣り合いな物がさらに載っていた。 上等の白いクロスが掛けられ、外国映画のディナーの場面に出てくるような銀のお盆の上に、銀の半球形の蓋が被せられている。 ……ゲームはまだ、続いているの!? ゴムボートは石段の下にコトン、と停まった。 増水はどうやら止まったようだ。 予想外の展開に、どこからともなく現れた、水上の不気味な荷物。 (私達に……?) ……受け取って一応、開けてみるべきだろうか?それとも… 「……『物資』じゃないの?もしかして…」 しばらく静寂と沈黙が続いた後、アイミが言った。 薄気味悪いけど、私もそんな気がする。
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