金曜日 #3

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一瞬、(毒入りかも………)という考えが頭を掠めたが、 ……それはそれでこのまま死んでもいいか、と思えるくらいの幸福感に満たされていた瞬間だった。 そして私達は普段なら軽食かおやつ程度の量のリゾットでお腹がパンパンになってしまったため、床の上に毛布を敷いて寝転がった。 満腹だしちゃんと生きていた。 少したってからウララが言い出した。 「……ねぇ、ダンボール箱の中身、って何なのかな?」 もっといい物が入っているに違いない、とはっきり期待してるような口振りで。 私はつかの間の幸福感からあっという間に引き戻され、身体じゅうがじわり、と冷たくなった。 夢中で食した、何日ぶりかの温かい…人間らしい食事。 これは二人の人間の命の代償。 ……友であったルイと、敵側の人間だったかもしれないけど…ツグミ役の年の近い女の子。
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