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土曜日 #2
だけど、こんなことで怒鳴ってたらこの先もたない。
私は感情的にならないように息を少しついたが、どうしても口調は強くなる。
「だって、ここでじっとしたまま死んじゃうなんて私は絶対イヤ」
「…………」
「大丈夫だよ。暗いかもしれないけど私がちゃんと照らして見てるし。もしウララが落ちちゃっても、私が泳いで助けに行ってあげる」
私は、私の後ろで真っ青になって固まっているサヤカにも言い聞かせるように声に力を込めた。
ここでウララに怖がられたら、後が続かない。
「それに、ウララが行ってくれなきゃアイミが一人になっちゃうよ。お願い、頑張って。ね?」
「………わかった」
ウララは涙目でゴムボートに乗り込み、恐る恐る漕ぎ始めた。
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