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アイミの待つ通路にたどり着いたウララは、よほどほっとしたのか、アイミと一緒にスマホの光でハートマークを描いてみせた。
「サヤカ、意外と楽勝!早くおいでよー」
「ナツ、私が落ちたら助けてね?」
「もちろん。落ちついて行けば大丈夫だから」
私は大きく頷いて、サヤカに自信をつけさせようとした。
「床があった時は普通に歩いて行き来してたじゃない」
「私……風邪引いてほとんど寝てたから…、4人が死んだなんて実感なくて……」
そうだった。
サヤカの体調を考えて、なるべくそのことに触れないようにしてたし、
起きられるようになってからも友達の死が受け入れられないのか恐怖からか、サヤカが自分からワインセラーに降りることはなかった。
「サヤカ。今は、外に出て助けを呼ぶことを考えよう。そうじゃないと他の子達も家に帰れないからかわいそう」
「…だよね…」
そして、みんなの声援のお陰もあって、サヤカがなんとか通路にたどり着いた。
最後は、私。
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