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「言葉使いに気をつけた方がいいわよ」
ウララは「救済者」のすぐ横にぴったりと寄り添った。
「『救済者』様は世界でも数人しかいない、IQ180以上の天才なのよ。
この人にできないことなんてないわ。その気になれば世の中だって変えられる。
まさに『救世主』様だわ」
ウララは彼に歩み寄り、彼の腕にしがみついた。しかし、彼はそれを無言で振りほどく。
「ウララ!信じてたのに!どうして私達を騙したの!?」
こんなの、悪い夢であってほしい。だけど、私一人だけでも向き合わなきゃ、死んだ仲間が浮かばれない。
「ツグミのせい…?私達が、ツグミを助けられなかったから……ツグミを見捨てたから、それで恨んでいるのね!?」
しかし、ウララから返ってきたのは全てを馬鹿にし切ったような高笑いだった。
「私は、ツグミさえ死んでくれれば良かったの。ツグミを私の人生から排除したかった…それだけ!」
私はウララの言動に、脳天から殴られたような衝撃を受けた。
確かにお嬢様体質で自己主張の強いツグミが主、ウララが従……そんな印象が私達の中にあったのは否めない。
対等ではない力関係、共依存傾向。
それでも、私達はお互いが無二の友人だと思ってたし、もしウララが自分の道を歩きたいのならそれはそれで応援するつもりでいた。
第一ツグミが死んだとき、一番落ち込んで、病気のサヤカに怒りをぶつけていたではないか。
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