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実際、ルイは自分の知ってること、やったことを手紙に書いてくれた。…アイミだから説得できたんだと思う。失敗だったと思うのは、その時すぐ手紙を読んで、元のツグミのスマホを別な人物が持っていることを確信すべきだったこと。
……たとえそれが生き残った仲間だったとしても。
結果。
「平松瑠衣、3票。
芹沢つぐみ、3票。
楠木奈津、1票」
「だって、ナツがせっかく戻ったのに、無線機の前でアイミとずっと内緒話ばかり……。
私はツグミにウララやルイと一緒に下僕扱いされてて、辛かった。ナツが私を選んでくれたら、助けてくれたらよかったのに、ってずっと思ってた」
あの時は正直、これからのことで頭が一杯で……、ツグミ側に付かされた子達は気にはなってたけど、後でちゃんとフォローするつもりだった。
「だから、思ったの。ナツに入ってる1票だけは、アイミにもアリサにもどうにもできない。
きっと最後には、私を頼って来てくれる―――チアキもアリサもいない今、アイミよりも誰よりも必要としてくれる……それを待っていた。
でも、ナツはいつでもアイミ、アイミ、アイミ。私とウララには内緒のことでも、アイミには何でも話してたよね」
「それは…私が弱気になったら、サヤカもウララも不安がると思ったから!」
それは本当だった。
弱音も不安も、アイミになら話せた。
ツグミ、チアキ、アリサ、ルイ。
犠牲になった友に残りの仲間の無事を託されたと思ってた。
無為無策で無力な私を、アイミはずっと信じてくれた。私にとっての親友はアイミだけだったのかもしれない。
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