救済者

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「『友達のオーディションについていってスカウトされた』なんて話、全部大嘘よ。 けど、審査員の中にはこっそり教えてくれる人もいた。『ボクはキミの方がいいと思ったんだけど…ゴメンね』周囲をすごく気にしながらね」 ……ウララの話がよく見えない。 「ウララ、どうしてオーディションには一人で行って、って言わなかったの? ウララはウララの道を歩けばいいじゃない」 それがどうしてツグミに殺意を持つほどの恨みにつながるんだろう? 「他に何か理由があるんじゃないの?陰で非道いこと言われたとか、されたとか」 「そんなのしょっちゅうだったよ。ナツ、あんた、やっぱり何にもわかってない。 ツグミにとって私は、ただの便利なお気に入りの道具にしか過ぎなかった。…よく例えたところでペットか。だけど」 ウララは両の目から、涙をすっと伝わせて叫ぶ。 「私だって夢があった!ツグミを蹴落としてでも、私だってアイドルになりたかった!!」
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