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リビングから廊下に出るとすぐ、私達の閉じ込められていた地下室へのドアがある。
…みんなで力一杯押しても全く開かなかったドアは、金属製の分厚い非常扉で覆われていた…
起こっていない土砂崩れをさもあったかのように思わせる、大掛かりな仕掛け。
とてもこの男一人の仕業とは思えない。
では何かの犯罪組織の仕業で、彼はその一員?
この男の行き先が悪人どもの巣窟で、ヤクザ風の屈強な男達がずらっと揃っていたら。
……そんな考えがチラリと頭に浮かんだが、足を止める気にはならなかった。
私はひたすら男の背中を追いかけ、廊下を抜けて別荘の玄関ホールに出た。
ツグミの別荘の玄関ホールは、昔の洋画に出てくるような両開きの扉があって(執事やメイドがお辞儀して出迎えてくれそうな)吹き抜けの真ん中に広い螺旋階段があって、二階の廊下に繋がっている。
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