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どうにか水面に顔を出すと、鼻先につきそうなすれすれの場所に石造りの天井が迫っていた。
とっくに身体じゅう凍りついたと思ってたのに頬に一筋温かい涙が伝う。
苦しい…
しんどい……
死にたくない!!!!!
「……ッ……ナッ……」
…………誰かが呼んでる……
……アイミ?
「ナツ!!!」
(アイミ………アイミ…………)
私を呼ぶ声に気づくほんの少し前、目の前で石の天井がスローモーションのように崩れていくのが見えた。
……いや。
使えなくなった地下室の丸い電灯、と思っていた器具の中に小型カメラが、石造りの天井、と思っていたのは実は樹脂製で、中には大型のスピーカーや機械類が。
この分だと無線機やスマホにも盗聴器などが仕掛けてあり、パソコンで誰かが操作をしていたんだろう。
今さら気づいてどうなる……。
アリサの遺したノートさえ、水の中で生き残るため、背負った袋ごと捨ててしまった。
「ナツ!ナツ!ナツ!」
頭上でガシャンガシャンと重くやかましい金属音。
「ナツ!返事して!しっかり!」
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