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「芹澤夫妻は仕事優先の仮面夫婦だが、ツグミを溺愛しているところだけは共通している。
その最愛の娘を突然不幸な事故で失ったら、芹澤グループの二人の要は簡単に自滅する。そして近い将来、僕が後継としてグループのトップに立つ。
そのための計画はすでに始まっているし、ここからが見ものなんだがな。君にはぜひ、証人となってもらいたかった」
「冗談じゃない!!あなたの思い通りになんて、絶対させない!」
滝の下にいるかのような激しい雨音もまるで爆音のような雷鳴も、止む気配はなく一層激しさを増している。
「…さて、そろそろ本当に残された時間は僅かなようだ。他に聞きたいことがあるなら、どうぞ?」
彼は私を生かして帰すつもりはない、そういうことなんだろう。
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