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そして何らかの方法で恐ろしいゲームの痕跡も、殺人の証拠も消し去ってしまうつもりだ。
……一体、どうやって?……
私には皆目見当がつかない。とりあえず、時間を稼ぐくらいしかできそうにない。
「事故、と言うけど本当はあなたがツグミを殺したのよね!
あなたはわざとみんなとは違う場所にツグミ用のスマホを置いて気を引き、二酸化炭素濃度の高い空気を吸わせ、中毒死するよう仕向けた。そうでしょう!」
「ツグミの死は本当に事故だった。あの段階では誰か一人が酸欠で倒れてくれたらよかった。他の七人はパニックに陥る。
そこに生存と粛清を引き換えるゲームを持ちかければれば、さらに混乱と疑心暗鬼で、お互いを追い詰め合うかと思ったんだが。
ゲーム開始前にツグミが死んでしまったことは本当に予想外だったが、僕にとっては遅いか早いかの違いだった。
しかし、その割には案外皆、整然と行動していたよね。
ゲームのルールを逆手に取られて無投票の均衡が続いたらゲームは成立しない。…必要な指示はウララのスマホに出すつもりだったんだが、もう一つ予想外の事態が起きた。
サヤカの発熱と、メンバーに対する尋常ならざる劣等感、そして君に対する特別な…そして屈折した感情。
あとは、リーダー格のお株を奪われた状態の、プライドの高いルイ。彼女を揺さぶったら、均衡が見事に崩れた。
図らずも二人が素晴らしい仕事をしてくれたよ」
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