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なぜ、ツグミを殺そうと思ったのか。
ツグミがターゲットならなぜ、彼女が死んだ後も私達は恐怖にさらされながら残酷なゲームを続けなければならなかったのか。
自分でもどちらを問い詰めたいかわからなくて、言葉に詰まった。
「なぜ、ツグミがターゲットだったか、そしてツグミの死をもってゲームを終了させて他のメンバーを解放しなかったか、疑問に思ってるだろうね」
「彼」の、まるで私の揺れを見透かしたような冷たい声が私の心にえぐり込むように突き刺さった。
「狙いがツグミだと私達にバレないために、でしょう」
ツグミ一人だけが犠牲になればよかった、とは思わないけど。
本心を言うと、巻き添えでアイミが死んだ、と考えるのは悔しい。
最後まで皆のことを考えていたチアキ、アリサ。彼女達は……気の毒すぎる。
冷酷な男だもの、そんなの何とも思ってないんだろう。
「それも一つあるが……確かに、僕の偉大なる計画の初期段階で、こんな国の腐った警察権力なんかに邪魔されるのは勘弁だしね。
あと一つの理由は、君達をもう少し観察したかったから」
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