一章 貧乏少年の不幸

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神島には魔物が住んでいるが、武術だけでは敵わない奴等が存在する。 特別高位生物、つまり天使や悪魔、そして神を含む奴等だ。 そいつらに抵抗するために神島で生み出された出所不明の装備、それがペルソナだ。 白の仮面であるペルソナは被ると心の中に存在する"心焔"を詠み、自身を擬似的に高位生物にする。 その時、姿が劇的に変わってしまう。 髪色や声色から体格、瞳の色、更には装備まで遺伝子以外はほぼ変わる。 ペルソナも人それぞれ色が変わる。 またペルソナには固有能力があり、それが特異な能力だと模様が浮かびあがってくる。 ペルソナにはこのような力があるため、レヴァレントには必須の装備なのだ。 しかし俺にとってはかなり問題がある。 訳あって素性を隠している俺はペルソナを出した瞬間に素性がばれてしまう可能性があるのだ。 ペルソナは被ったときの仮面の色や模様、その姿で誰かと判断できる。 それに対して俺はペルソナを被ったときの姿を隠したいわけだ。 また俺のペルソナは普通のペルソナとは違うこともあり、自分のやつを使わないで学園で配られるペルソナを使ったとしてもそうなってしまう可能性がある。 俺は再び机に突っ伏したが、志士に引きずられて学園の武道館に向かった。 筋肉バカだからな、志士は。
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