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漆黒に包まれた廃墟。
白く輝く月が照らす下で少年が一人、立っていた。
周りを彩るのは揺らめく黒。
ゆらゆらと一面に揺らめいている黒は黒い炎。
黒い炎は全てを壊し、燃やそうとしていた。
そして地面に転がるのは遺体の山。
少年はこの状況で空を見上げていた。
空に舞うのは翼を広げた―天使。
崇められるはずの天使はその穢れなき身体を赤く染めて飛んでいた。
少年は腕を天使に向けて振った。
天使は力を失い、地面に落ち絶命した。
新たな天使が少年がいた場所を見たときには少年の姿は無くなっていた。
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