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「で、どうしたんですか?先輩」
「いや、お前が一年主席を部屋に連れ込んだという噂があるんだか、本当か?」
先輩は顔を限りなく近付けてきた。
クラスはざわざわしていたのが止んでおり、全員が俺を興味深く見ている。
俺の見立ては合っていた、といつの間にかどや顔でいる志士はウゼェな。
四階から落とすのは駄目なら今度は人間ハンマー投げしてやろう。
でもなーあいつ昔、槍投げの槍にしても無傷だったからなー
「ねぇ、聞いてる?」
現実から逃げていた俺はどすの効いた声ですぐに戻った。
「あ、ああ」
「じゃあ、さっさと『本当です、姫』という言葉用いて答えて」
……事実だけれども、だけれども!
それ、完璧に認めちゃってるよね?
否定させる気ないよね?
しかも姫とか、似合わなっ!
魔女の方が似合うような気がする。
「魔女だと……」
握りこぶしを作って顔を赤くしている先輩がそこにいた。
あれ?心読まれた?
「本当です、姫。」
「死ね!」
見事なまわし蹴りで俺は体を吹っ飛ばされ、窓を割って外に出た。
そして、地上に向けて一直線に落ちていった。
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