一章 貧乏少年の不幸

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燦々と輝く太陽。 照りつける日光はじりじりと体を熱くさせる。 その太陽の下、高級住宅街には似合わない瓦礫の山に俺はいた。 俺は絶賛土下座中である。 そして俺の前に立ちふさがるのは妖しい笑みを浮かべた少女。 「弁償」 「払えません。許してください。何をやってもいいですから」 顔を少し上げれば見えるのは、請求書。 1が一つと0が八つ書かれた請求書。 貧乏人の俺が払える金額ではない。 「じゃあ弁償はおいといて一つ頼み事があるの」 「何だ」 「家、無くなっちゃったから貴方の家に居候させて」 「はぁ!?お断りだ!自分の生活だけでも苦しい貧乏人にお前まで養える金はねぇよ」 「じゃあ、弁償して。払えなければ警察に届けるわよ?」 「分かりました。」 俺は再び土下座をした。 土下座をしながら俺はどうしてこうなったと振り返る。
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