プロローグ

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力……それは、物事を動かす働き、もしくはそれに準するモノ…。 言うならば、類例で言うところの、権力、暴力、圧力、重力、気力、視力、聴力、腕力、脚力、勘力、などと存在するが、いずれにしても人間と関係が深い事はあきらかであり、物事に対して人間が使う表現方法の一つである。 それらの力は、元々存在するものと、努力によりその力の働きを強化出来るものが、存在するが、殆どのモノが変えられない事象であるのだ。 これも例えばの話だが、腕力は鍛えれば強くなれるが、暴力、圧力、重力、などは、どれも働きの表現方法などで、強化をする概念など無いに等しいし、視力などは生まれ持ったもので、上がる事は無いという。 つまり、こういう事だ。 しかも、先程言った様に、腕力は鍛えれば強くなれるが、それは絶対ではないし、その者の素質によってそれは変動してくる。 ある人物が必死に努力していて腕力で望むような結果が出なかったとしても、別の人物がある人物より努力しなくても、そのある人物より、いい結果が出たりする事もあるのだ。 つまり、物事はいつも理不尽で動いている。 その理不尽は覆す事が難しい上に、自分自身に襲い掛かってくるのだから、たまったもんじゃないのだ。 それは、被害が自分だった事に限らずとも。 …おっと、話が逸れたが、我が言いたい事は、つまり、こうだ…。 我はこの地位に立つために、努力を積み重ねたのに……。 慢心などは、一切しなかったのに……。 自身の能力向上は、常に目を向け、努力を疎かにしなかったのに……。 ……我より明らかに若い者に負けた。 この…”魔王''である我が…! 圧倒的かつ、屈辱的に!! 人間ごときがァ!! 「…ククッ…今、楽にしてやる…少しは愉しめたぞ…魔王…。」 …チャキ……ズバッ!! 消えゆく我の意識は…最後まで笑っていた青年の顔を、我の血で紅く紅く染め上げ、青年がチラリと、舌を出した所で、プッツリと途絶えた……。 ____魔王side end___
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