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アーちゃん達とは、時間ずらして帰ろ…。
でも、どうしよっかな。
本当は宿題なんて嘘。
実際、職員室なんか用はないし……こうして校舎内さまよってても別に面白くないし…。
はぁ、と小さな溜め息を漏らしながら、宛もなくブラブラ歩き時間を潰した。
体育館では、ボールの跳ねる音、生徒達の賑やかな声が響き渡っている。
(……部活動かぁ)
体育館の方向をチラ見し、それから再び前に向き直る。
廊下の突き当たりで右に曲がり、帰宅しようとしている生徒達とは逆方向に階段を上っていく。
四階に着くと、人通りも少なく辺りは静かになって、がらりと雰囲気が変わった。
(外の景色でも見よう…)
学校からの眺めが、秘かに好き。
緑の丘に、とても心癒される……
ひとしきり堪能してからまた歩き始め、使われていない無人の教室を通り過ぎる。
そろそろ帰ろうかなぁ、と思っているとー……
“あ、……はぁ!”
切羽詰まった女の子の声が、耳に流れ込んだ……
え、、な…に?
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