結城 日向

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誰もいないはずの一番隅の教室。 でも……今、確かに女の子の声が? まさか幽霊!? 止まってしまった足ががくがくと震え出す。 動けず硬直したまま様子を窺っていると、今度は甲高い少女の声に重なってー…… 少年の労るような優しい囁き…… “大丈夫?” その甘さに、私の心が激しく波打つ。 気づくと勝手に足が動き、教室の扉の前まで忍び寄っていた。 くちゅくちゅ、と教室の奥から淫靡な水音が響いた後、色めいた男女の喘ぎ…… 『……ん、、あ…』 『はぁ……』 中を覗かなくても厭らしい矯声だけで行為が想像出来て、頬が上気してしまう。 『や、やっ……触っちゃ……』 生々しい音が耳を掠めて、私も共鳴しそうになる。 『あ、、そこっ……や、や…!』 奥からの荒々しい振動に、体がどうにかなりそう。 高鳴る鼓動を抑えるよう身を捩り、その場から離れようとした矢先…… 女の子が絶叫して、相手を欲する…… あ、あっ……ひなたあぁっ……もっとぉ…!! (ー……え) “ひなた”って。 咄嗟に扉の隙間から覗き見た光景に、私は息を呑んだ。
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