結城 日向

7/11
前へ
/675ページ
次へ
真っ白なカーテンが室内の濃密な行為を示すように、艶かしく揺れる。 痙攣する少女の裸体を抱いて、はぁと欲望の吐息を溢す少年は…… やっぱり結城君。 制服のワイシャツが乱れて、淫らな喉元が露になる。 うっとりと堕落した表情は、どんな美少女よりも魅惑的で綺麗だった…… 上品な顔立ちとは裏腹に、くしゃり髪を掻き上げる仕草が男臭い。 『亜紀……気持ち良かった?』 色に濡れた気だるげな声が、女の名前を囁く。 亜紀? 『……ん……きもち、よかったよ……ひなた……』 栗色のロングヘアーが彼の腕の中で動きを変える。 快楽に濡れ光った瞳が一心に結城君を捉えると、次の瞬間ふにゃりと和らいだ。 美崎…亜紀さん。 ああキレイだ……この人も。 結城君と同様。 ゆっくり唇を重ね合わせる恋人達に、私は暫し見とれてしまう。 名残惜しげに唇を離した結城君が、美崎さんの体をそっと解放して…… 『動ける?亜紀……キツイか?』 『…うん…あ、りがと……』 気遣う彼に、幸福そうな笑みを浮かべる美崎さん…… 彼女の手を握り、結城君は優しく抱き起こした。
/675ページ

最初のコメントを投稿しよう!

556人が本棚に入れています
本棚に追加