ある日の散策

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  「若いのに、偉いのう」と、老人に話しかけられた。 「いえ、たまたま通っただけなので」  僕は、口早に言った。なるべく早く立ち去り気持ちが、言葉をせき立てていた。  老人の瞳が潤っていることに気づき、僕の心はハっとした。  その光輝はこの神社に導いた、葉が反射させていた輝きにも似ていて、無意識のうちに僕を踏みとどまらせていた。  
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