ある日の散策

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   老人はそんな僕にかまわず、弱りつつある体にむち打つように、厳粛な挙措で礼拝を捧げた。  腹の底から熱が生まれるのを感じつつ、僕は見とれるように眺めていた。    自分の心は、この老人の瞳を目にする前とは反対の感情ーーこの老人と長くいたいーーに包まれていた。  
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