第一章 迷える追跡者

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さっきの人の言っていた通りだ。 「いらっしゃーいwww」 特徴的な喋り方が聞こえてきて、わたしは少しだけ安心する。 迷子にならなくて良かった。 すこし駆け足になり、購買にいる人物に声を掛ける。 白っぽい銀色で、ウェーブのかかった髪の青年。 いつも笑っている人で、ここの購買を経営?している。 まあ、髪の色なんてここじゃそこまで目立たない気もするのだが。 本名はわすれたけど、さっきの少年も言ったように通称ぷちさん。 「こんにちは……ぷちさん」 「なんか買っていくの?www」 えーと……と、答えようとした私のかわりに青い髪の女の子が飛び込んできて答える。 「レモンと梅干しをいただけるでありますか?」 表情は無表情であるのだが、その子の犬のような尻尾がパタパタパタパタと揺れる。 たしか、たまに蜜菜から話を聞く人だ。 姫璃さん、だったかな。 うん、そんな気がする。 本とかでよくみる軍人さんみたいな口調で、垂れた犬耳としっぽがあるってきいたから。 カオス学園だからっていっても何人も格好の人がいるわけじゃない。 「どれくらい?www」 「とりあえず、レモン25個、梅干しは20パックであります。あと、小麦粉も一袋おねがいするであります」
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