第一章 迷える追跡者

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さすがにさっき買ったものだけで何かできることもない、と思うし。 できないよね、レモンと梅干って酸っぱいだけだよね? 自信はあまりないけど。 とりあえず、商店街行ってみようか。 とくに心当たりがあるわけでもなく……はないのだけれど。 行き方わからないし、それっぽいところ向かってみればいいかな。 知ってそうな人がいれば聞くんだけど、誰かいたっけな。 思い出そうとしても、抑政会の人々と蜜菜以外に思い当たる人がいなかった。 わたしの知り合いそうそういないのはあきらめるしかない。 日頃引きこもってるのが悪いんだよね。 後悔はよくするし反省もするけどなんで治らないんだろう。 スピードで追いつくのは疲れるしまず無理だろうからあきらめて、のんびり歩いて向かった商店街は買い物をする生徒や帰宅途中の生徒でにぎわっている。 転送装置がありはするけど、ここからそう遠くないところに住んでる生徒が多いものね。 人探しには向かないな……姫璃さんやっぱあそこに行ったんだとは思う。 でも、行ったことあんまないんだよね。 名前が『隠れ家』だもんね。 まったく……見つかる気がしない。 まよってへんなところに行くのは得意なんだけどなー。
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