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このまえ路地に入って面倒なことになったし、細い路地にはいかない様にだけは意識して歩く。
そんな怪しいところで蜜菜がバイトしてるとも思えないし。
……さすがにバイト先はまともだよね。
まともだったよね?
「せめてここらへんの地図を覚えとけばよかったかな……」
覚えるの自体は苦手ではないはずなのに、こんなにたくさんの人がいて、場所があって、いろんなことが起きて何から覚えればいいのかわからない。
覚えるのめんどくさいし……。
そんな感じだから地図も人もほとんど記憶していなかった。
うー……と声をもらして立ち止まる。
いつのまに人のほとんどいないとこに入ってしまったらしい。
細い路地に行かないようにしてたのにどうしてだろうか、とは思うが仕方ない。
これくらいはよくあることだし。
……とりあえずもどろう、どっちに戻ればいいのか忘れたけど。
仕方なくあたりを見回す。
今日で何回目だろ、キョロキョロするのは。
そう思ったとき人影が少し離れたところの通路を横切った。
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