第一章 迷える追跡者

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「とりあえず、妾が仕事してるだけましだと思ってよね……」 誰に聞こえるはずもない言葉をつぶやく。 本来五人で使うはずの抑政会室には大抵他に人なんていない。 総会長はいつも通り。 サボりってやつだ。 もし、会議とか以外で来ることがあったら翌日はなにか妙なものでも降るんじゃないだろうか? 取締長は仕事だとしてもここにくる必要がほぼない。 たまに来てるけど、仕事のためというよりは休憩に来てる感じがするんだよね。 実際は仕事なのかもしれないけど。 刑務所みたいなところで尋問でもしてるんじゃないかな? 調査長は……つかみどころがないけれど、いや、考えてる事はわからないけれど動きは比較的わかる。 なんでだか。 なんらかの基準があの人の中にある気がする。 で、たぶん今はどっかで調査でもしてるんじゃないかな。 仕事していなければ料理だろうけど。 で、最後。 相談長は誰かの能力の実験台になってると思う。 いや、気の毒だとは思うんだけどね? 床に刺さってたとか聞くとすごくかわいそうだとは思うのだけど……あきらめたほうがいいと思う。 とにかく、みんなが来る事もそうそうないので、この光景には慣れっこだ。 生徒会みたいにみんないる、てか、いなきゃいけない感じなのもいいとは思うけど……あ、生徒会長みたいなリーダーは要らないけど。 怖いから。
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